行深般若波羅蜜多時

houwa160

「仏様の知恵をもって、波羅蜜多行(はらみたぎょう)を深く考え、そしてそれを行う時」という意味です。

何事も深く考えるということは重要です。

悟りを開くということは、物事を正しく判断する知恵を得ることであり、自らの内部から湧き出てくるものがあって始めてなすことができます。

波羅蜜多というものは、たとえるなら、川の流れであり、生きることや死ぬことについて迷っているこの世の中が「此岸(しがん)」:こちらがわの岸であり、生や死のない心安らかな世界”涅槃(ねはん)の地”が、「彼岸(ひがん)」。

つまり、川の流れそのものが私たちの煩悩そのものであるわけです。

そこで、優れた知恵を持つ菩薩は、心を落ち着け、瞑想という名の船に乗り、迷いの「此岸(しがん)」から”涅槃(ねはん)の地”である「彼岸(ひがん)」へと漕ぎわたるわけです。

これが「深く行をすること」であり、たくさんお経を読もうとも、仏教の知識を得ようとも、それを実行に移さない人は、他人の財産を勘定しているだけで、いつまでたっても悟りを得ることは出来ないのです。

取らぬ狸の皮算用

になってしまっては意味がないのです。

観音様である菩薩になるためには、「波羅蜜多行(はらみたぎょう)という修行が最も重要です。

この修行は、「六波羅蜜行(ろっぱらみつぎょう)」ともいい、次の6つの修行からなります。

1.布施
施しのことで、誰もが自分が施せるものを施すというもの。お金持ちはお金を施し、学者は学問、何も持っていない人は優しい気持ちを施すというものです。

2.持戒
自分を戒める事。「生き物を殺さない」、「盗みをしない」、「ふしだらなセックスをしない」という行動に対する戒めと「嘘をつかない」、「言葉を飾らない」、「人の悪口を言わない」、「二枚舌は使わない」という言葉の戒め、さらに、「必要以上にケチケチしたり欲張ったりしない」、「むやみに腹をたてない」、「間違った物の見方をしない」という心の持ち方の戒め、すべて合わせると十の戒めがあるので、「十善戒(じゅうぜんかい)」といいます。

3.忍辱
人から辱めを受けたとしてもじっと我慢するということ。ぐっとこらえて暖かい心を人に返すと人も自分も救われるのです。

4.精進
一生懸命に努め励むこと。お金儲けのために勉強するのではありません。自分自身の向上のために努力を惜しまないで下さい。

5.禅定
座禅をして心を落ち着かせること。どんなに忙しい時でも心の落ち着きを失ってはいけません。平静な時にでも何かのキッカケで心が乱されることがあるかもしれません。そうならないために常に予測してすべてのことに備えていれば、心の落ち着きを失うことはありません。

6.智慧
道理にかなった智慧を働かせること。哲学者パスカルが言った言葉に「人間は考える葦」という言葉がありますが、考えたことに、思いやりが加わることで本当の智慧となるのです。

重要な事は、相手の立場に立って物事を考え、言葉を選び、自分の人生について深く考えてみることです。

「言うは易く、行うは難し」

ですが、実践しなければ意味がありません。

いつからでも、遅いということはないのです。

「思い立ったが吉日」

人生は一度きり。

今があなたのスタートなのですから