”漢字には思いが詰まっています”
漢字は中国から伝わりましたが、日本語は日本で生まれました。
漢字が中国から入ってくる前から日本語はありました。
入ってきた漢字に日本語を当てはめたのが、私たちの先祖です。
「喜」や「嬉」、「楽」という字を見るとなんだか気持ちがわくわくしませんか?
逆に、
「寂」や「淋」、「苦」という字を見るとつらい気持ちになりませんか?
これは、漢字という記号に、今まで生きてきた時代の人たちがいろいろな想いを当てはめていったからです。
記号自体の漢字に、意味がいろいろ詰まっているんです。
いろいろ記号に意味が付加されて、言語である日本語になっているんです。
ちょっと難しくなるんですが、「近代言語学の父」といわれるスイスの言語学者「フェルディナン・ド・ソシュール」によって、言語は、「シニフィアン(記号)」と「シニフィエ(意味・概念)」が表裏一体となって結びついていると定義されています。
これはどういうことかというと、「犬」という記号(漢字)をみて、どんな意味・概念(印象)を受けとるか、どんなことをイメージするかということで言語が成り立っているということです。
もう少し、具体的にすると、「犬」をみて、「セントバーナード」が思い浮かぶ人も「チワワ」が思い浮かぶ人も「かわいい」と感じたり「こわい」と感じる人もいるってことです。
何が言いたかったかというと、私たち日本人は一文字の漢字だけでも、多くの意味を感じることができるし、それが人によってさまざまな解釈がされているということです。
私たち「日本人」は言葉の中に魂を感じることができるんです。
言葉の中にはさまざまな人の思いや経験が入っているんです。
このことを受け止めて、自分の想いを漢字に入れることができれば、未来を変えることもできるはずです。
だって、言語は決まったものじゃなく、時代に合わせて進化していくものだから。
言霊(ことだま)カテゴリーの記事は、ゴルゴ松本氏の著書「あっ! 命の授業」を参考にさせていただきながら、日本語の世界をお伝えしています。